Suica定期券の大回り乗車

はじめに

Suica定期券の大回り乗車について調べると
・定期券区間内の乗下車でも大回り可能
・1駅でも区間外乗車すれば可能
・大回り乗車は出来なくないが、やらない方が良い
など、様々な情報が見られるため、JR東日本への問い合わせ結果と、旅客営業規則、ICカード乗車券取扱規則を参考にまとめておく。

問い合わせは、「JR東日本お問い合わせセンター」に電話確認を行った。担当者によって回答が変わるため、前述の規則について理解されている上席部門の担当者へ取り次いでいただいた。他の担当者や駅係員など、問い合わせ先の担当者によって結果が変わる可能性があることは、ご承知おきいただきたい。また、問い合わせ内容は基本的に転載が禁止されているため、私なりの解釈として解説していく。

結論

各規則について説明を行っていくため、非常に長い記事となってしまう。結論だけでも長文だが、先に述べる。

・Suica定期券区間内で完結する乗下車については、大回り不可である。

・Suica定期券を併用した定期券区間外での乗車大回り乗車は不可能ではないが、以下の制約(数字の項目)を全て満たす必要がある。定期券区間外の駅と定期券区間内の各駅との最も低額となる経路を調べる必要があり、難しいため、やらない方が良い。

  • 用語の定義
    • 定期券区間内の乗車(または下車)した駅(以下、A駅)
    • 定期券区間外の乗車(または下車)した駅(以下、B駅)
    • 定期券区間内の各駅のうち、B駅との運賃が最も低額(自動改札が引き落とす金額の区間)となる駅(以下、C駅)
    • 定期券区間内の各駅のうち、実際に乗車した際に定期券区間を離脱(または合流)した駅(以下、D駅)(D駅とC駅が同じ場合はC駅として扱う)
  • 自動改札通過が通過可能なケース
    1. A駅とB駅との乗車において、C駅を通過していること。(C駅を通過していない場合は有人改札で精算すること)
    2. A駅からC駅の間で、定期券区間外乗車(大回り)をしていないこと。
    3. 大回りはC駅からB駅の間でのみしており、大回りの条件を満たしていること。(同じ駅は2度通らないなど)
  • 有人改札を通過する場合
    1. 係員に、A駅からB駅の乗車のうち、D駅で経路離脱(または合流)したことを、実際の乗車ルートで申し出ること。
    2. A駅からD駅の間で、定期券区間外乗車(大回り)をしていないこと。
    3. 大回りはD駅からB駅の間でのみしており、大回りの条件を満たしていること。(同じ駅は2度通らないなど)
    4. D駅からB駅までの最も低額となる運賃を支払うこと(D駅からB駅のきっぷを事前購入しても良い)。ただし、係員の指示に従うこと。
      ※自動改札を通過するように指示を受けた場合など、C駅からB駅の運賃で良いという係員の判断となる場合がある。これは旅客営業規則上の係員の承諾であるため問題ない。
      ただし承諾は、この乗車に限り有効(下車時に契約終了)であるため、次回以降、承諾を受けずに自動改札を通過して良いという訳ではないので、毎回、係員への申し出が必要である。

結論だけで長文となってしまったが、非常にルールが複雑であるため、Suica定期券を用いた大回りは、やらない方が良い。

大回り乗車に限らず、定期券を併用して区間外乗車する場合は、自動改札が通過可能なケースのときのみか、事前にD駅からB駅のきっぷを購入し、有人改札できっぷを渡すのが簡単である。

なお、グレーゾーンの話をする際に「駅員に聞いて問題ないと言われたから平気」などと豪語される方が稀にいるが、旅客営業規則に対する説明なのか、係員の承諾(その乗車における一度限りの承諾)なのかで、意味合いが大きく変わるので注意が必要である。
もし係員が恒久的な扱いとして問題ないと発言したのであれば、「どの条文をどのように解釈したものか」を聞いて頂きたい。おそらく答えられないか、JR社内規定の「旅客営業取扱基準規程」を持ち出して説明すると思われる。しかし、あくまで旅客(利用者)と鉄道会社との契約は旅客営業規則やICカード乗車券取扱規則に基づくため、社内規定を恒久的な根拠とするような議論は無意味である。

以下、今回の議論を行った根拠と解説である。

大回り乗車について

この章では大回り乗車について説明する。

通常、きっぷの料金は距離をもとに算出されるため、乗車する経路のきっぷを購入する必要がある。そのため、基本的に指定された経路以外の乗車は認められていない。

<旅客営業規則 第67条>
旅客運賃・料金は、旅客の実際乗車する経路及び発着の順序によって計算する。

しかし、東京や大阪などの大都市では、短い区間の乗車でも目的地までに複数の経路が存在してしまい、乗車する度に経路を指定してきっぷを購入することは非常に難しくなってしまう。また、最短経路より遠回りした方が早く目的地に到着するケースも存在する。

  • 横浜〜本郷台の例
    • 最短経路:横浜〜(根岸線)〜本郷台:18.5km(26分)
    • 最速経路:横浜〜(東海道線)〜大船〜(根岸線)〜本郷台:23.1km(18分)
      ※電車特定区間の運賃は、18.5km:310円、23.1km:400円となる。

上記のような煩雑さを回避する目的から、最短経路のきっぷで乗車できる特例が存在する。

<旅客営業規則 第157条>
  (前略)
2 大都市近郊区間内相互発着の普通乗車券及び普通回数乗車券(併用となるものを含む。)を所持する旅客は、その区間内においては、その乗車券の券面に表示された経路にかかわらず、同区間内の他の経路を選択して乗車することができる。
3 前項の場合、普通乗車券を所持する旅客が、他の経路を乗車中に途中駅において下車したときは、区間変更として取り扱う。

この条文が大回り乗車を認める根拠となっている。これにより、大都市近郊区間内のみを乗車する場合は、実際に乗車する経路にかかわらず、最も安くなる経路で計算した運賃で乗車できる。大都市近郊区間の詳細はJR東日本のホームページを参照いただきたい。

大回りで「途中下車ができない」と言われているが、その根拠は上記157条3項に記載されている。途中下車をすると区間変更として扱われてしまい、下車駅までの料金を支払う必要がある。下車駅までの料金を支払うと大回りの意味がなくなってしまうため、一般的に大回りで途中下車はできないとされている。

なお、この選択乗車の条文には、大回りでよく言われている「同じ駅を2度通ってはいけない」などのルールは記載されていない。これは運賃計算の規則に記載されているからである。

<旅客営業規則 第68条>
  (前略)
4 前各項の規定により、旅客運賃・料金を計算する場合で次の各号の1に該当するときは、当該各号に定めるところによって計算する。
(1)計算経路が環状線1周となる場合は、環状線1周となる駅の前後の区間の営業キロ、擬制キロ又は運賃計算キロを打ち切って計算する。
(2)計算経路の一部若しくは全部が復乗となる場合は、折返しとなる駅の前後の区間の営業キロ、擬制キロ又は運賃計算キロを打ち切って計算する。
  (後略) 

上記より、乗車区間が1周してさらに超える場合、または、乗車区間の一部が重なる場合は、1周となる駅または重なる駅で打ち切って計算することが明示されている。

同じ駅を通った時点できっぷを分割すれば乗車できるが、大回りの途中できっぷが打ち切られてしまうと、大回りとして意味をなさなくなってしまうため、一般的に大回りでは「同じ駅を2度通ってはいけない」と言われている。

Suica乗車券を利用した大回り乗車について

ここまでは、きっぷの場合の規則の説明である。Suicaを利用した場合は、意味合いは同じでも規則が全く異なるので、注意が必要である。

Suica乗車券を使用した場合の規則は、ICカード乗車券取扱規則に記述されている。

<ICカード乗車券取扱規則 第38条>
Suica乗車券を第22条第1項の規定により使用する場合、出場駅において、入場駅から同一の取扱区間内を経由して最も低廉となる運賃計算経路で算出したIC運賃をSF残額から減算します。
 (後略)

上記より、Suica乗車券では、最も低廉となる経路で計算したIC運賃で、乗車できる。

「同じ駅を2度通ってはいけない」などのルールは、旅客営業規則を準用する旨が記載されている。

<ICカード乗車券取扱規則 第29条>
IC運賃の計算上の経路等については、旅客規則第68条第1項第1号、同条第2項、同条第4項第1号及び第2号、第69条第1項第2号から第5号、第70条、第70条の2第2項(同条第1項第1号から第3号及び第5号にかかるものに限ります。)、第71条、第86条第1号、第2号及び第10号並びに第87条の規定を準用します。
<旅客営業規則 第68条>
  (前略)
4 前各項の規定により、旅客運賃・料金を計算する場合で次の各号の1に該当するときは、当該各号に定めるところによって計算する。
(1)計算経路が環状線1周となる場合は、環状線1周となる駅の前後の区間の営業キロ、擬制キロ又は運賃計算キロを打ち切って計算する。
(2)計算経路の一部若しくは全部が復乗となる場合は、折返しとなる駅の前後の区間の営業キロ、擬制キロ又は運賃計算キロを打ち切って計算する。
  (後略) 

旅客営業規則を準用していることから、乗車区間が1周してさらに超える場合、または、乗車区間の一部が重なる場合は、1周となる駅または重なる駅で打ち切って計算することが明示されている。

なお、ICカード乗車券取扱規則では、より明確に記載されている。

<ICカード乗車券取扱規則 第40条>
第22条第1項の規定により使用する場合のSuica乗車券の効力は次の各号に定めるとおりとします。
 (中略)
 (2) 第23条第1項の各号に規定する同一の取扱区間内にある駅相互間を前号の規定により乗車する場合で乗車経路が環状線1周とならないときは、当該取扱区間内に限りいずれの経路も乗車することができます。
(3)途中下車の取扱いはしません。
(4)入場後は、当日に限り有効とします。

第40条1項2号では、同じ駅を2度通らなければ経路選択は自由であることが明記されており、第40条1項3号では途中下車の扱いはしない(その駅までの精算を行う)ことが明記されている。

よって、根拠となる条文は異なるが、きっぷ、ICカードに関わらず、大回りでは「同じ駅を2度通ってはいけない」などの最低限のルールは同じものとみなされている。

定期券を用いた大回り乗車について

<旅客営業規則 第157条>
  (前略)
2 大都市近郊区間内相互発着の普通乗車券及び普通回数乗車券(併用となるものを含む。)を所持する旅客は、その区間内においては、その乗車券の券面に表示された経路にかかわらず、同区間内の他の経路を選択して乗車することができる。
 (後略)

大回りの根拠となっている旅客営業規則 第157条で注目すべき点は、「普通乗車券及び普通回数乗車券」と記載されていることである。つまり「定期券」については、大回り乗車の根拠となる経路選択に含まれていないとこが分かる。よって、定期券の区間内は大回り乗車不可である。

また、旅客営業規則 第168条では、区間外乗車が禁止であることを具体的に記載している。

<旅客営業規則 第168条>
定期乗車券は、次の各号の1に該当する場合は、無効として回収する。
  (中略)
(6)定期乗車券の区間と連続してない普通乗車券又は普通回数乗車券を使用して、その各券面に表示された区間と区間との間を乗車したとき。
  (中略)
(11)係員の承諾を得ないで、定期乗車券の券面に表示された区間外の区間を乗車したとき又は第161条の規定に違反して乗車したとき。
  (後略)

定期券は第168条1項11条で、券面表示区間外への乗車を禁止している。

ただし、旅客営業規則 第157条で「併用となるものを含む。」と記載されているため、定期券区間の離脱する駅から、別途、連続する普通乗車券などを購入すれば、普通乗車券の区間内については、大回り乗車可能である。

第168条1項6号により、定期券の区間と連続する乗車券を所持していれば違反とはならないことが分かる。よって、定期券と普通乗車券は併用可能であり、第157条より普通乗車券の区間は経路選択が可能であることから、普通乗車券の区間は大回り可能である。

ただし、注意が必要な点がある。第168条1項11号に記載されている「定期券の券面に表示された区間外の区間を乗車したとき」である。

これが前述の結論に記載したD駅である。例えば、東京から横浜までの東海道線の定期券を所持しているときに、有楽町(A駅)から八王子(B駅)まで乗車する場合、武蔵小杉(C駅)〜八王子(B駅)のきっぷ(650円)を購入するのが最安料金(特定区間経路の詳細は69条を参照)となる。しかし、東京から中央線経由で八王子に向かった場合、定期券の離脱駅は東京(D駅)となることから、東京〜八王子のきっぷ(820円)が必要となる。

これを武蔵小杉(C駅)〜八王子(B駅)のきっぷのみ購入して、東京経由で乗車した場合、中央線で東京駅を出発した時点で券面表示区間外の乗車となり、東京駅からの有効なきっぷを所持していないため、第168条1項11号に違反となる。

よって、定期券を併用した大回り乗車は、D駅からB駅のきっぷを購入しているときに、D駅〜B駅の間でのみ大回りが可能であり、A駅からD駅(定期券区間内)では大回り乗車は不可能である。

Suica定期券を用いた大回り乗車について

前置きが非常に長くなったが、ここからが本題である。Suica定期券を用いた大回り乗車について、結論となるICカード乗車券取扱規則は以下である。

<ICカード乗車券取扱規則 第44条>
Suica定期乗車券は、前条第1項第1号、第3号、第6号、第7号及び第10号の規定並びに旅客規則第168条の規定に該当する場合、SFを含めて無効として回収します。
<旅客営業規則 第168条>
定期乗車券は、次の各号の1に該当する場合は、無効として回収する。
  (中略)
(6)定期乗車券の区間と連続してない普通乗車券又は普通回数乗車券を使用して、その各券面に表示された区間と区間との間を乗車したとき。
  (中略)
(11)係員の承諾を得ないで、定期乗車券の券面に表示された区間外の区間を乗車したとき又は第161条の規定に違反して乗車したとき。
  (後略)

ICカード乗車券取扱規則 第44条では、旅客営業規則第168条も禁止事項として挙げられている。これは、Suica定期券も磁気定期券もルールは変わらないことを明示している。

よって、前章で述べたルールと全く同じく、定期券区間内の大回りは禁止されており、定期券区間外は実際に経路離脱したD駅からB駅の料金を支払う必要がある。D駅で離脱したにも関わらず、係員の承諾を得ずにC駅からB駅で精算した場合は違反となる。

なお、Suica定期券については、D駅からB駅のきっぷを事前に購入して有人改札を通過することも可能である。

<ICカード乗車券取扱規則 第24条>
 (前略)
5 他の乗車券と併用して使用することはできません。ただし、Suica定期乗車券においては券面表示区間内の駅、Suica企画乗車券においては券面表示区間内の駅又は有効区間内の駅を発駅又は着駅とする乗車券を併用する場合及び新幹線に有効な乗車券類と併用して新幹線用の乗換改札機を使用する場合を除きます。
 (後略)

上記より、Suica定期券はきっぷとの併用が可能である。えきねっとや指定席券売機で任意の駅のきっぷを購入できるので、定期券を併用するときはD駅〜B駅のきっぷを事前に購入すると有人改札で精算する手間が省ける。

Suica定期券を使用したIC運賃の減算

前述の通り、Suica定期券+普通乗車券により、普通乗車券部分の大回りは可能である。ICカード乗車券取扱規則 第41条により、定期券区間内の大回りが可能である説と、第39条により、SF残額を利用した大回りが可能であるとする説があるため、各条文の解釈を確認していく。

まず、41条である。

<ICカード乗車券取扱規則 第41条>
Suica定期乗車券は、券面表示区間外であっても、同一の取扱区間内にある駅相互間であれば、前条の規定を準用して乗車することができます。
 (後略)
<第41条を大回り可能とする解釈>
券面表示区間外を乗車したとしても、同一の取扱区間内(定期券区間内を含む)なら前条(大回りを可能としている)を準用するので、大回りは可能である。
<第41条の解釈>
「券面表示区間外」とは定期券区間とは関係のない区間である。
「同一の取扱区間内」とは、第23条の区間内である。
Suica定期券は定期券区間外で乗下車する場合は、Suica乗車券と同様に扱う

あくまで第41条は定期券とは関係ない区間の話をしているので、この条文を理由に定期券区間内の大回りを正当化するのは無理がある。前述の通り、旅客営業規則 第168条を準用している以上、券面表示区間外への乗車はできないため、定期券区間内で完結する大回りは不可能である。

そもそも、なぜ第41条があるかというと、第39条(後述)で定期券区間内と区間外を乗車する場合を定義しているが、Suica定期券の定期券区間外と区間外を定義している条文がないために記載されていると思われる。「であっても」という表記は、「券面表示区間内であっても」の補完ではなく、第39条の補完の意味で記載されているものと思われる。

また、第39条をもとに「1駅でも定期券区間外に乗り越せば、定期券で大回りが可能である」という説がある。

<ICカード乗車券取扱規則 第39条>
1 Suica定期乗車券の券面表示区間と区間外とをまたがって乗車する場合及びSuica企画乗車券の券面表示区間又は有効区間と区間外とをまたがって乗車する場合は、当該乗車区間は、旅客規則第247条に規定する別途乗車として取り扱い、出場駅において、券面表示区間外又は有効区間外に対して前条の規定により算出したIC運賃をSF残額から減算します。この場合、小児用のSuica定期乗車券又は小児用のSuica企画乗車券においては小児のIC運賃を、その他のSuica定期乗車券又はSuica企画乗車券においては、大人のIC運賃を減算します。
 (後略)
<第39条を大回り可能とする解釈>
「券面表示区間外又は有効区間外に対して前条の規定により算出したIC運賃」とあるので、前条(38条)で大回りを可能としていることから、Suica定期券で大回りをしても自動改札が引き落とす、最短経路の運賃で問題ない。
<第39条の解釈>
「当該区間」とは定期券区間外を実際に乗車した区間である。
当該区間を別途乗車(旅客営業規則 247条)と扱うため、定期券区間の離脱駅(D駅)から目的地(B駅)までの料金精算が必要である。なお、D駅からB駅までは、前条(38条)に従い、最短経路で計算する。
自動改札では定期券区間内の各駅のうち、B駅との運賃が最も低額のC駅の金額が引き落とされるが、D駅から離脱したときはD駅からB駅の料金を有人改札で精算する必要がある。

つまり、C駅を通過した場合は、第39条の計算ができるため自動改札を通過できるが、それ以外の駅(D駅)で離脱するときは、第39条の「当該区間」の計算が自動改札でできないため、有人改札で別途精算を行わなればならないということである。

ここで先程の例を確認してみる。東京から横浜までの東海道線の定期券を所持しているときに、有楽町(A駅)から八王子(B駅)まで乗車する場合、自動改札を通過すると武蔵小杉(C駅)〜八王子(B駅)の649円が引き落とされる。しかし、多くの人は東京から中央線経由で八王子に向かうだろう。

実際に八王子駅で下車する際に、ほとんどの人は自動改札で通過しており、東京から〜八王子の料金(820円)を駅係員に申し出て精算する人は、ほとんどいないだろう。

しかし、規則に従うのであれば、精算する必要がある。事実、Yahoo!路線情報で、定期券を登録して検索をすると、定期券区間外は上記計算方法で行われ、自動改札が引き落とす金額ではなく、D駅からB駅の金額が表示される。これは規則に従った計算方法を実装しているからである。

ここまでの内容をまとめると、最初に述べた「結論」章のようになる。

最後に

大回りに限らず、Suica定期券で乗越している多くの人は、規則に即していないことが分かった。おそらく、この部分にコストをかけるより、Suicaの利便性を優先して、目をつぶっているという実態があるのだろう。

しかし考えるべきは、我々、大回りをする人間の対応である。規則を応用して大回りをするのであれば、「改札が通れるから良し」とするのではなく、規則に従った(D駅〜B駅の)精算をする必要があるのではないだろうか。

Suica定期券を用いた大回りは不可能ではないが、非常に複雑であることから、定期券のないSuicaか、きっぷを購入して大回りをするのが良いだろう。

また、鉄道ファンとしては、たとえ大回りをしなくても、定期券区間外乗車する場合は、D駅〜B駅までのきっぷを購入するなど、規則に従った乗車を心がけたい。

その他(余談)

大回りとは関係ないが、余談で紹介する。

  • 定期券で駅ナカ利用の入場
<旅客営業規則 第147条>
 (前略)
6 乗車券類は、乗車以外の目的で乗降場に入出する場合には、使用することができない。

上記より、禁止されている。Suicaを入場券として使えるサービスがあるが、定期券は禁止されているので注意が必要である。

  • 定期券で入場した駅に戻ってくる
<旅客営業規則 第147条>
1 乗車券類は、その券面表示事項に従って1回に限り使用することができる。この場合、乗車人員が記載されていない乗車券類は、1券片をもって1人に限るものとする。ただし、定期乗車券については、その使用回数を制限しない。
 (後略)

定期券は使用回数が制限されていないため、定期券区間内を往復して、目的地で降りずに戻ってきても問題ない。つまり、定期券を入場券代わりに使うことは出来ないが、隣の駅まで往復すれば乗車が目的となるため、駅ナカ利用が可能となる。

  • きっぷ境界駅におけるグリーン券などの通し乗車
<旅客営業規則 第156条>
旅客は、旅行開始後、その所持する乗車券によって、その券面に表示された発着区間内の着駅(旅客運賃が同額のため2駅以上を共通の着駅とした乗車券については、最終着駅)以外の駅に下車して出場した後、再び列車に乗り継いで旅行することができる。
 (後略)

途中下車は乗車券のみ有効であるため、グリーン券や特急券などは途中下車前途無効である。

東京〜馬喰町の往復きっぷを購入し、東京〜(総武快速)〜成田〜(成田線・上野東京ライン)〜東京と大回りした時に、東京〜成田のグリーン券を購入した場合、馬喰町は途中下車扱いになる(東京〜馬喰町、馬喰町〜成田の2枚のグリーン券が必要か)か。については、改札を出ていないため、途中下車扱いにはならず、東京〜成田の1枚のグリーン券で乗車可能である。

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